2012年2月25日土曜日

言い訳させてください! 不調だったんです、不調だったんです!

エコロジーという名の病が人類に蔓延した。
「地球に優しく、されど快適に」 
 買収された学者と、そのパトロンであった企業は、それが可能と謳った。
 論理武装されたエコロジー商品はウソをついていなかったが、不都合な側面には口を噤んでいた。
 ミスリードされ、それらの商品を贖うことに喜びを見出す人々。
「地球に優しく、されど快適に」
 実際には、その時点の人類の科学力と認識では不可能なことだった。
 多くのエコロジー商品は、より多くの資源とエネルギーを消費し、後進諸国に対する搾取が進んだ。
 後進諸国の人々は生活を成り立たせるために、自らを取り巻く環境を悪化させていくほかはなかった。
 それしか道がなかったから。
 警告する者もいた。
 しかし、エコ商品で潤った巨大資本が、その口を塞いだ。
 先進諸国で、人々が喜んでエコ商品に手を出すとき、地球全体ではダメージの方が上回っていった。
 そんな、ある意味文明の絶頂期において、ポールシフトが発生した。
 地軸が傾き、大地震や津波が都市を破壊し、温帯が寒帯に変わった。
 それはまるで地球が身震いしたかのごとく。
 害虫を身体から払い落とすがごとく。
 人類はその数を大幅に減らしたが、生き残りはもう環境に配慮する、偽の余裕を持たなかった。
 過酷な環境で生き残るため、残存した科学技術を駆使した。
 ありったけのエネルギーを使い、都合の良いように生物を改変した。
 人類の総数は減ったが、生態系を初めとする地球の仕組みは、さらに激変していった。
 この後、何が起こるかは誰にも分からなかった。
 人類は生き残るために、予測不能の道を突き進んでいくしかなかった。
 人間。
 それを地球はまだ捨てられないでいる。


なんとか参戦だけは果たしたという体……。

1 件のコメント:

ひやとい さんのコメント...

素直でわかりやすかったですよ~。