2013年4月1日月曜日
第一回 武力としての文学大賞 募集要項
1.はじめに
「文学は力である」
19世紀のフランスの作家フェルディナンド・ブレアルはそう記しています。確かに文学は人を魅了し、時には恋をさせ、人の人生に転機を与えることもあります。一定の時間、その物語の中に没入させるだけでも、それは大きな力であると、フェルディナンドは述べています。文学は歴史の中で多くの人々に影響を与え、多くの人を幸せに、あるいは悲しみを慰めてきました。かの奴隷解放宣言で有名な米国大統領・リンカーンに多大なる影響を与えたといわれる作家・ランガーの小説「七つの顔」では人種が混ざり合ったユートピアが描かれおります。その後、「文学の力」とはこういったポジティブな側面で語られる事が多くなっています。
しかしながら文学の力とは果たしてポジティブな側面だけなのでしょうか?ネガティブな力もあるのではないでしょうか?人々が目を向けようとせず、それを文学の「力」であるとは認めようとしないがために、今まで無視され続けてきたのではないでしょうか?
文学の負の側面、力、そんなものが本当にあるのか。それは賛否両論を受ける問題ではありますが、ただそう言われるだけの側面があるのもまた確かです。
例えば、有名なイギリスの殺人鬼ジョン・マーロンはサディスティックな内容で社会問題となった小説「花弁」を愛読し、その内容を諳んじることができたと言われています。彼が死刑に処される前、「花弁」の中の一説「私は幸福だ。愛ゆえに殺されようとしている」を最後の言葉として残したと言われています。
また、アフリカの過激派テロリストPUFの団員たちは南アフリカの黒人作家の著書「餓え」を持ち歩き、初期にはその作品の中にある反政府組織を範とした組織体制やテロ行為が見られていました。
さらに本邦においても鳥待月愚の小説「少年の老い」の影響を受けた青年が数名自殺に及んだという事件が当時の新聞で問題視されました。
このように文学には 文学には負の力、ある種の暴力や武力、が秘められているのではないでしょうか?文学は人を幸せな気持ちにさせるだけとは限りません。時には憂鬱にさせ、悲しませ、あるいは怒りを覚えさせます。そしてもっと強力な文学の力は人々を闘争に駆り立て、暴力を促し、死を魅力を増大させ、想像の飛躍が許されるとすれば戦争の遠因にすらなる可能性があります。
この度、創作テロリスト集団・無計画書房では、文学の負の力を武力として蓄えようという思想のもと、負の力をもった文学を広く募集するため「第一回 武力としての文学大賞」を開催することと致しました。詳細に関しては以下のとおりです。
2.募集内容
広義の負の力を持った文学作品
例
1.不道徳的な行為を促す作品(暴力行為を促す、自殺を促すなど)
2.人に不快な感情を催させる作品
3.人を特定の思想に固執させる作品
4.社会的秩序を崩壊させる作品
*注意事項
個人や特定団体に対する誹謗中傷文章は単純かつ効果的な力を持ちますが、テロ行為が摘発される可能性があるため今回は該当外とさせて頂きます。
3.募集期間
2013年4月1日~2014年4月1日
4.文章量
指定なし
5.選考方法
競作サイト「てきすとぽい」での不特定多数に依る評価、および無計画書房員による評価を総合的に加味する。
6.賞金
作品が人や社会に与える影響を書房員が試算しそれに応じた賞金を与えるものとする。
7.文学テロリスト養成
優れた作品を書いたものには、文学テロリスト養成のための援助を行う。ゆくゆくは文学テロリストとして、文学に依るテロ行為を行う実行部隊の成員として活躍していただく。
以上
諸君の検討を祈る。
無計画書房 創作テロ事業部 文学テロリスト養成課 課員 茶屋休石
*2013年4月1日のエイプリルフールネタです。実際の開催予定、およびテロリストの募集は行っておりませんのでご了承下さい。また、「はじめに」に登場する作家、殺人鬼、テロリストは全て架空の存在です。
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