2013年10月11日金曜日
文研の思い出
ブンケン、というのは、大学の文学研究会の略称で、
大学へ入ったら小説を書くぞ、すごいことになるぞと息巻いていたあたくしが、
新入生歓迎会の折、酔っ払っていたY先輩から、
「ブンケンどうよ!」
と聞かれたのが最初で。
当時の文研は、ざっくり言って、
「究極超人あ~る」の光画部そのもので、
それは大方の、高校・大学の文系クラブが似たようなものだったと思うのだけど、
とにかく、そういうところであるのに加えて、当時の文研で特徴的だったと思われる点は、
1)前部長が、応援団と演劇部を掛け持ちする超ハイテンション。
2)現部長が体育会系マッチョにして圧倒的な詩人。
3)部誌発行が、年6回。
4)そして、社会人Tさんが、しれっと存在している。
部室で最初にTさんを目撃した時は、
「おお、顧問の先生か」
と思うたのだけれど実はTさん、聴講生で、
今年還暦だというから当時は四十代後半、
それでかれこれ文研に5年くらいは居着いているという、主のような存在でした。
「酒飲みに行くか」
と誘われ、ひょいひょい付いて行ったところから、以降かわいがられ、
それから4年間、毎週のようにうまい飯、うまい酒をご馳走になりまして、
4年間でいろいろ知り、学び、何よりうまい飯屋だの、バーだのを学んだのは、
何といってもTさんのおかげで、
Tさんがおらねば、あたくしは今でもワタミあたりで威張っていたことと思います。
当時、何よりあたくしに幸いだったのは、
入部した1年生が、あたくしを除いてみな女子だったことで、
女子ばかりを誘うのは気が引ける、よしおまえも来い、
という次第で(まあ、女子ばかりだとて気を引かせるような人ではござんせんが)、
まことに、ご馳走さまでした。
何せ飲んだくれて会話するばかりだったので、
何を学んだこれを学んだということはほとんど出てこないのですが、
あたくしの身についた性質のいくらかは確実にTさんに鍛えられ構成されている次第であって、
そのTさんがとうとう還暦だというのであれば、
是非ともお祝いせねばと思うている次第なのであります。
2013年8月10日土曜日
I project
「計画の進行度合いは?」
開口一番、Mr.Hは言った。
最近のMr.Hはいつもそうだ。Iプロジェクトのことばかり気にしている。
「順調です」
いつもどおり、私はそう答える。
「きっとうまくいくでしょう」
そう言って、やっと仕事の話が始められるのだ。
「いつになったら完成するのだろうな」
別の仕事の合間にも、Mr.HはIプロジェクトのことばかり気にしている。
「きっとうまくいきますよ」
いつもどおり、私はそう答える。
「あの計画は、我々の組織だけに重要なのではない。もしかしたら、我々の世界を変えてくれるかもしれないんだ」
Mr.Hの目は虚ろだ。すっかり計画にとり憑かれてしまっている。
同時に進行する様々な任務のことなど目に入っていないかのようだ。
「これは計画とどう関係するんだ?」
ついにMr.Hは他の任務の時にまで、Iプロジェクトのことばかり気にし始めた。
「え、それはどういう?」
さすがにこれは私も受け流すことが出来なかった。
「寝ぼけているのか?今、組織は計画に全力を注いでいるはずだ。関係ないはずないだろう」
Mr.Hは冗談を言っているわけではないようだった。
Iプロジェクトの呪いはだいぶ進行が進んでいるようだ。
呪い。
いや、亡霊といったほうが適当かもしれない。
規模が大きく、組織内でも最も期待された計画だった。
だがIプロジェクトは既に存在しない計画だ。
プロジェクトの中止が宣言され、プロジェクトメンバーは解散され、評価の高かったサブプロジェクトは別名称のプロジェクトとして継承された。
そしてMr.Hはそのプロジェクトの中核にいた。
計画が死んだことは、知らないはずがない。むしろ、計画中止前には中止の阻止に、後には計画復活や継承計画の立ち上げに奔走したのだ。
けれども、Mr.Hはそんな事がなかったように振舞っている。
Mr.Hがおかしくなってから、私は何度も、計画が死んだことを告げた。
けれども、彼は信じなかった。
笑い飛ばしたり 「そんなわけないだろ」
「計画が消えるはずがない!」 殴りかかってきたり
泣いてみたり 「あれは救世主なんだ。私を救ってくれるんだ」
「…………」 無視してみたり
ついには私は諦めて、Mr.Hに適当に合わせることにした。
彼は亡霊の呪縛から逃れることができるのだろうか?
彼は本来の任務を見失わないで要られるだろうか?
全ての計画がIプロジェクトに見え始めた彼はどこに向かうのだろうか?
開口一番、Mr.Hは言った。
最近のMr.Hはいつもそうだ。Iプロジェクトのことばかり気にしている。
「順調です」
いつもどおり、私はそう答える。
「きっとうまくいくでしょう」
そう言って、やっと仕事の話が始められるのだ。
「いつになったら完成するのだろうな」
別の仕事の合間にも、Mr.HはIプロジェクトのことばかり気にしている。
「きっとうまくいきますよ」
いつもどおり、私はそう答える。
「あの計画は、我々の組織だけに重要なのではない。もしかしたら、我々の世界を変えてくれるかもしれないんだ」
Mr.Hの目は虚ろだ。すっかり計画にとり憑かれてしまっている。
同時に進行する様々な任務のことなど目に入っていないかのようだ。
「これは計画とどう関係するんだ?」
ついにMr.Hは他の任務の時にまで、Iプロジェクトのことばかり気にし始めた。
「え、それはどういう?」
さすがにこれは私も受け流すことが出来なかった。
「寝ぼけているのか?今、組織は計画に全力を注いでいるはずだ。関係ないはずないだろう」
Mr.Hは冗談を言っているわけではないようだった。
Iプロジェクトの呪いはだいぶ進行が進んでいるようだ。
呪い。
いや、亡霊といったほうが適当かもしれない。
規模が大きく、組織内でも最も期待された計画だった。
だがIプロジェクトは既に存在しない計画だ。
プロジェクトの中止が宣言され、プロジェクトメンバーは解散され、評価の高かったサブプロジェクトは別名称のプロジェクトとして継承された。
そしてMr.Hはそのプロジェクトの中核にいた。
計画が死んだことは、知らないはずがない。むしろ、計画中止前には中止の阻止に、後には計画復活や継承計画の立ち上げに奔走したのだ。
けれども、Mr.Hはそんな事がなかったように振舞っている。
Mr.Hがおかしくなってから、私は何度も、計画が死んだことを告げた。
けれども、彼は信じなかった。
笑い飛ばしたり 「そんなわけないだろ」
「計画が消えるはずがない!」 殴りかかってきたり
泣いてみたり 「あれは救世主なんだ。私を救ってくれるんだ」
「…………」 無視してみたり
ついには私は諦めて、Mr.Hに適当に合わせることにした。
彼は亡霊の呪縛から逃れることができるのだろうか?
彼は本来の任務を見失わないで要られるだろうか?
全ての計画がIプロジェクトに見え始めた彼はどこに向かうのだろうか?
2013年6月10日月曜日
無計画書房は第2回福岡ポエイチに参加しました
2013年6月9日(日)
第2回福岡ポエイチに
無計画書房として出展いたしました。
出展物は
『てきすぽどーじん 6号』
『きた★たん 北九州市短編・掌編集』
『ロクコの集合』
でした。
きた★たんはなんと完売いたしました!
ブースには山田が座っていたのですが、
たくさんの人に出会え、とても濃密な空間でした。
お買い上げいただいた方々、
交流していただいたサークルのみなさま、
制作に関わってくれたメンバー、
そして応援し見守っていてくれたみなさま、
ほんとうにありがとうございました。
山田の個人的なレポはこちら。
↓
とりあえずのほんだな: 第2回福岡ポエイチに出展してきたのですよ
第2回福岡ポエイチに
無計画書房として出展いたしました。
出展物は
『てきすぽどーじん 6号』
『きた★たん 北九州市短編・掌編集』
『ロクコの集合』
でした。
きた★たんはなんと完売いたしました!
ブースには山田が座っていたのですが、
たくさんの人に出会え、とても濃密な空間でした。
お買い上げいただいた方々、
交流していただいたサークルのみなさま、
制作に関わってくれたメンバー、
そして応援し見守っていてくれたみなさま、
ほんとうにありがとうございました。
山田の個人的なレポはこちら。
↓
とりあえずのほんだな: 第2回福岡ポエイチに出展してきたのですよ
ラベル:
きた☆たん,
山田佳江,
福岡ポエイチ,
北九州市短篇集(仮),
北九州短編集
2013年6月9日日曜日
てきすとぽい上半期ベスト掌編を決める!?
上半期ベスト掌編についての経緯は、こちらをご覧ください。
http://togetter.com/li/516034
http://togetter.com/li/516034
◇ 要件(上半期の場合)
投票期間:7月1日開始で、一ヶ月くらい?
対象作品:6月30日までに、審査期間が終了しているイベントの全作品
※オンラインで無料公開されていない作品がある場合は、除外するか注釈を付ける?
・下半期の場合、年間ベストも同時開催になるかどうか(年末が近付いてから検討)。
・作品審査に関しては、やはりそれぞれのイベントが主役、上/下半期ベストはオマケの立場なので、あまり目立ち過ぎず気軽な感じに……。
◇ 仕様案
〈作品への投票〉

2013年5月30日木曜日
無計画書房は第2回福岡ポエイチに出展します
お久しぶりです。山田です。
6月8日と9日に『福岡ポエイチ』という
文学系同人誌の展示即売会が開催されるのですが、
無計画書房は9日の方に出展します。
ブースには山田がいると思います。
むしろ山田しかいないと思います。
【出展日】 2013年6月9日(日)
【開催時間】12:00-17:00
【場所】 リノベーションミュージアム冷泉荘 B棟1F 2コ1多目的スペース
【内容】 文学系同人誌の展示即売会および交流会
【料金】 入場無料
【出展内容】
『てきすぽどーじん6号』
すでに閉鎖された超文系サイト「テキスポ」の作家たちによる同人誌です。
サイトが滅亡した後も、元気に活動を継続しています。
『きた☆たん 北九州市短篇・掌篇集』
北九州市の7つを舞台にした小説や詩を集めてみました。
『ロクコの集合』
山田佳江の個人誌。短編小説です。
(あと、フライヤーなんかも置いてあると思います)
福岡ポエイチの詳細はこちらのサイトです。
↓
福岡ポエイチ
http://poeiti.yu-nagi.com/
会場でお会いできるのを楽しみにしています。
6月8日と9日に『福岡ポエイチ』という
文学系同人誌の展示即売会が開催されるのですが、
無計画書房は9日の方に出展します。
ブースには山田がいると思います。
むしろ山田しかいないと思います。
【出展日】 2013年6月9日(日)
【開催時間】12:00-17:00
【場所】 リノベーションミュージアム冷泉荘 B棟1F 2コ1多目的スペース
【内容】 文学系同人誌の展示即売会および交流会
【料金】 入場無料
【出展内容】
『てきすぽどーじん6号』
すでに閉鎖された超文系サイト「テキスポ」の作家たちによる同人誌です。
サイトが滅亡した後も、元気に活動を継続しています。
『きた☆たん 北九州市短篇・掌篇集』
北九州市の7つを舞台にした小説や詩を集めてみました。
『ロクコの集合』
山田佳江の個人誌。短編小説です。
(あと、フライヤーなんかも置いてあると思います)
福岡ポエイチの詳細はこちらのサイトです。
↓
福岡ポエイチ
http://poeiti.yu-nagi.com/
会場でお会いできるのを楽しみにしています。
2013年5月6日月曜日
第参回 10分ついのべバトル 跡地
概要
出されたお題にそったtwnovelを10分間以内で書くという企画です。
日時
夜の部 5/24 23:00~
お題は「甘」でした。
昼の部 5/25 13:00~
お題は「機械」でした。
参加資格
Twitterのアカウント持ってる方ならどなたでも
ルール
出されたお題にそったついのべを10分間で書く
参加意思表示としてハッシュタグ #10MTWN をつけてください。
タイムスケジュール
23:00(夜の部)/13:00(昼の部) お題発表・執筆開始
お題発表は本記事と茶屋がtwitter(@chayakyu)でつぶやきます。
↓ 執筆
23:10/13:10 終了
↓
まとめ発表(Togetter利用)
まとめられるのが嫌である場合は主催者ツイッターアカウント(@chayakyu)あてに申告していただければ幸いです
因みに前々回、前回は↓な感じでした。
第一回
10分ついのべ 跡地
夜の部 まとめ
昼の部まとめ
第弐回
10分ついのべバトル 跡地
夜の部 まとめ
昼の部まとめ
バトルなので今回はてきすとぽいにて投票を行います。
メインはあくまでライヴ感のあるついのべ執筆ですので、投票・感想については二次的なものとお考えいただければ幸いです。
賞金・賞品などは御座いません。
ご意見等お待ちしております。
出されたお題にそったtwnovelを10分間以内で書くという企画です。
日時
夜の部 5/24 23:00~
お題は「甘」でした。
昼の部 5/25 13:00~
お題は「機械」でした。
参加資格
Twitterのアカウント持ってる方ならどなたでも
ルール
出されたお題にそったついのべを10分間で書く
参加意思表示としてハッシュタグ #10MTWN をつけてください。
タイムスケジュール
23:00(夜の部)/13:00(昼の部) お題発表・執筆開始
お題発表は本記事と茶屋がtwitter(@chayakyu)でつぶやきます。
↓ 執筆
23:10/13:10 終了
↓
まとめ発表(Togetter利用)
まとめられるのが嫌である場合は主催者ツイッターアカウント(@chayakyu)あてに申告していただければ幸いです
因みに前々回、前回は↓な感じでした。
第一回
10分ついのべ 跡地
夜の部 まとめ
昼の部まとめ
第弐回
10分ついのべバトル 跡地
夜の部 まとめ
昼の部まとめ
バトルなので今回はてきすとぽいにて投票を行います。
メインはあくまでライヴ感のあるついのべ執筆ですので、投票・感想については二次的なものとお考えいただければ幸いです。
賞金・賞品などは御座いません。
ご意見等お待ちしております。
2013年5月1日水曜日
「来たれ てきすとぽい作家! 800字小説バトル」について
※以下は、とりあえず未決定です。
1.「800字小説バトル」参加者募集
3つのお題を参考に、800字くらいで掌編小説を書いて投稿してください。
投稿作品の中から、☆投票&企画者の選考ののち、グランプリ&入選作が選ばれます。
800字という限られた文字数で世界と人物を描き、
さらにストーリーを展開させるのは至難の技。
ここは書き手の技と意地が炸裂、激突し、切磋琢磨の闘技場のようになること間違い無し。
腕まくりをしてのご参加をお待ちしてますー!
2.募集要項
◆応募資格
てきすとぽいにログインできる人
◆投稿ルール
次の基本設定を参考に、800字で掌編小説を書いてください。
※空白とか改行とか、そこら辺は気にしないで良いです。
何となく800字くらいになっていれば無問題です。
◆基本設定
【 】
【 】
【 】
※基本設定は使っても使わなくても無問題です。
◆投稿方法
投稿ルールに沿った内容で、てきすとぽいへテキストを投稿してください。
そして投票・審査期間が始ったら、みなさんで投票・コメント記入してみてください!
◆募集期間
5月3日(金)~5月19日(日)
◆投票・審査
5月20日(月)~5月28日(火)
※一般からの☆投票と、企画者による審査を行います。
◆結果発表
5月31日(金)の夜 (予定)
◆懸賞
☆投票1位の作品に、「第一回てきすとぽい800字小説バトル・グランプリ」
入選作品には、「第一回てきすとぽい800字小説バトル・入選」
それぞれ、称号を授与します。
※入選数は、全応募作の3分の1前後の予定です。
◆入選作の扱いについて
入選作品は「800字文庫」として編纂し、パブー上にて無料公開、
また、ツイッター等での宣伝を行います。
注意)
投稿規定に沿っていない作品は、原則として掲載されません。
「800字文庫」に編纂する際、作品の一部を編集する可能性があります。
3.ちょっとした注意&ご意見場所
※何か不明・不審な点があったら、コメントか、ツイッターにてご指摘くださいー。
1)てきすとぽいって何なの? どしたら良いの?
てきすとぽいは、制作途上の、競作・共作サイトだそうです。
アカウント作成方法なんかは、こちらをご参照ください。
http://text-poi.net/guide/profile/account.html
とりあえず投票イベントの「作品を投稿する」ボタンから小説を投稿してみてください!
2) 投稿後の修正、改変について
少しくらいなら問題ありませんが、あんまり改造すると、
読者・審査員が混乱しますので、ほどほどにしてくださいませ。
3) 複数投稿は?
歓迎しますー。
4) エッセイか詩なら書けるけど
小説バトルなので、「自分の中では小説です」と言い張れるものにしてください。
5) 入選作って誰が決めるの?
基本的に一般投票結果と、あとは主催者の独断で決めます。
6) 称号なんかいらん、金くれ
賞金にする元手をいただけたら考えます。
7) まとめ本て何? 人の小説で儲けようとしてんの?
まとめ本は無料で公開します。
その他ご不明・ご不審な点は、こちらにお寄せ下さいー!
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